30代になると、薬剤師として働くなかで、今後のキャリアについて悩むことはありませんか?
「今の職場で昇進を目指すべきだろうか」
「転職して、もっと自分に合った環境を探すべきだろうか」
「家族との時間も大切にしたいけれど、収入や将来のキャリアも気になる」
私自身、薬剤師として働くなかで、こうした悩みと向き合ってきました。これまでに2回の転職を経験し、現在は薬局長として働いています。
最初の職場では昇進を目指していましたが、次第に「出世することが、自分にとって本当に望む働き方なのだろうか」と考えるようになりました。その後、調剤経験を積むために転職し、さらに家族との生活や働き方を考えて、もう一度転職を決断しました。
2回目の転職では、以前の職場で得ていた最高年収から約200万円下がることも受け入れました。収入だけを考えれば大きな決断でしたが、私にとっては、これからの働き方や生活を考えたうえでの選択でした。
この記事では、私自身の経験も交えながら、30代の薬剤師が考えたい5つのキャリアの選択肢を紹介します。大切なのは、会社の評価や収入だけでキャリアを決めるのではなく、自分や家族が望む生活も含めて考えることです。
30代薬剤師がキャリアに迷うのはなぜ?
30代は、仕事で経験を積み、役職や収入について具体的に考える時期です。一方で、結婚や子育てなど、仕事以外の生活も変化しやすい時期でもあります。
20代の頃は、仕事を覚えることや経験を積むことを優先できた人もいるでしょう。しかし、30代になると、仕事に使う時間と家族や自分のために使う時間のバランスも気になってきます。
私自身、最初の職場では昇進への意欲が強く、仕事に多くの時間を使っていました。管理職を目指して努力することにも、やりがいを感じていました。
しかし、結婚後の生活を考え始めた頃から、昇進した先にある働き方にも目を向けるようになりました。周囲の管理職には、仕事に大きなやりがいを感じている人がいる一方、仕事中心の生活を送っているように見える人もいました。
もちろん、昇進そのものが悪いわけではありません。私にとっては、昇進に必要な時間や負担と、その先に得られるものが、自分の望む生活に合っているのかを考える必要があったのです。
30代のキャリアに、誰にでも当てはまる正解はありません。だからこそ、まずは選択肢を知り、自分が何を大切にしたいのかを整理することが重要です。
30代薬剤師が考えたい5つのキャリアの選択肢
1.今の職場で昇進・キャリアアップを目指す
ひとつ目は、今の職場で経験を積み、薬局長やエリアマネージャーなどの役職を目指すことです。
昇進には、収入の増加や仕事の裁量が広がるといったメリットがあります。人材育成や店舗運営に携わることで、薬剤師としての専門性とは異なるマネジメントスキルも身につけられます。
私自身、最初の職場では昇進を強く意識していました。数字を扱うことが好きで、店舗運営やマネジメントにも興味があったからです。
その後、調剤薬局に転職してからも薬局長を経験し、調剤業務だけでなく、人員配置や店舗運営などを学ぶことができました。
この経験から感じたのは、キャリアアップの方法は、ひとつの会社で昇進することだけではないということです。
ただし、役職が上がれば責任が増え、勤務時間や業務負担が大きくなる場合もあります。昇進を目指すなら、役職名や給与だけでなく、実際の業務内容や待遇、働き方まで確認しておきましょう。
2.転職して働く環境を変える
今の職場で希望する働き方が実現しにくい場合は、転職も選択肢になります。
薬剤師の転職先には、調剤薬局、ドラッグストア、病院、企業など、さまざまな職場があります。同じ業種でも、会社によって給与体系や人員体制、異動の有無、求められる役割は異なります。
私が最初に転職した理由のひとつは、調剤経験を積み、薬剤師としての選択肢を広げたいと考えたことでした。最初の職場ではOTC販売や店舗運営を中心に経験していたため、調剤の知識や経験を身につける必要性を感じていたのです。
その後、2回目の転職では、給与だけでなく、家族との生活や働き方も重視しました。転職先を選ぶ際には、異動の有無や営業目標、人員体制なども確認しました。
結果として、2回目の転職では、以前の職場で得ていた最高年収から約200万円下がることを受け入れました。
年収約200万円のダウンは、決して小さなものではありません。誰にでもおすすめできる選択ではなく、収入と働き方のどちらを優先するかは、それぞれの家庭や生活状況によって異なります。
私の場合は、年収だけでなく、家族との時間や今後の働き方も含めて考えたうえで決断しました。
転職を考えるときは、「年収を上げること」だけでなく、「今の職場で解決できない悩みを解消できるか」という視点も大切です。
転職を検討している方は、こちらの記事も参考にしてください。
3.専門性やスキルを高める
3つ目は、専門性やスキルを高め、自分の強みをつくることです。
薬剤師としての知識や経験を深めることはもちろん、マネジメント、教育、店舗運営など、仕事を通じて身につけられるスキルもあります。
どのようなスキルが評価されるかは、職場や目指すキャリアによって異なります。資格取得を考える場合も、資格そのものを目的にするのではなく、今後どのような仕事に活かしたいのかを先に考えるとよいでしょう。
私自身、最初の職場ではOTC販売や店舗運営を経験し、その後の職場では調剤業務や薬局運営について学びました。
当初は、マネジメントを学ぶならドラッグストアで昇進するしかないと考えていました。しかし、転職して調剤薬局の薬局長を経験したことで、異なる環境でもマネジメントを学べることに気づきました。
ひとつの職場だけにいると、自分が経験できる仕事やキャリアの可能性を狭く考えてしまうことがあります。
今の職場で身につけられるスキルは何か、ほかの職場ならどのような経験を積めるのか。こうした視点を持つことで、将来の選択肢を広げられるかもしれません。
4.役職や収入だけでなく、家族や自分の時間を優先する
4つ目は、昇進や収入の最大化だけを目指すのではなく、家族との時間や自分の生活も大切にすることです。
仕事で成果を出したい、収入を増やしたいという気持ちは、決して悪いことではありません。一方で、仕事に時間を使いすぎることで、自分が大切にしたいものを後回しにしていないか、時々立ち止まって考えることも必要です。
私自身、最初の職場では昇進を目指して努力していました。仕事に多くの時間を使うことにも抵抗はありませんでしたが、結婚やその後の家族との生活を考えるなかで、働き方に対する考え方が変わっていきました。
周囲には、昇進して充実したキャリアを築いている人もいました。一方で、役職が上がるにつれて責任や業務負担が増え、家族との時間を確保するのが難しそうに見える人もいました。
どちらが正しいという話ではありません。仕事にやりがいを感じ、昇進を目指すことが自分の望む人生に合っているなら、それも大切な選択です。
ただし、会社で評価されることと、自分にとって充実した人生を送ることは、必ずしも同じではありません。
「自分はどのような生活を送りたいのか」「仕事にどれくらいの時間を使いたいのか」。こうした問いを持つことも、キャリアを考えるうえで重要です。
5.副業などで収入源を増やす
5つ目は、本業以外の収入源をつくることです。
会社から得る給与だけに依存していると、働き方や収入について、会社の制度や方針に影響されやすくなります。
もちろん、本業で安定した収入を得ることは大切です。ただ、将来の選択肢を増やすという意味では、本業以外にも収入を得る方法がないか考えてみる価値があります。
例えば、次のような選択肢があります。
- ブログやアフィリエイト
- 自分の知識や経験を活かした情報発信
- 業務に役立つスキルの習得
- 本業以外の仕事につながる学習や準備
私自身も、会社だけに依存しない働き方を目指して、簿記の勉強やブログでの情報発信に取り組んでいます。
ただし、副業を始めれば必ず収入が増えるわけではありません。特にブログやアフィリエイトは、成果が出るまでに時間がかかることもあります。学習や作業に使える時間、初期費用、継続できるかどうかも考えながら取り組むことが大切です。
本業をすぐに辞めたり、大きな収入を得ることだけを目指したりする必要はありません。まずは無理のない範囲で小さく始め、少しずつ知識や経験を積み重ねていく方法もあります。
副業の目的は、単に収入を増やすことだけではなく、自分で選べる働き方を増やすこと。私は、そのように考えています。
自分に合うキャリアを見つけるための3つの質問
ここまで5つの選択肢を紹介しましたが、すべてに取り組む必要はありません。大切なのは、自分にとって何が必要なのかを整理することです。
1.今の働き方で、何を変えたいのか?
まずは、今の仕事に対する不満や不安を書き出してみましょう。
例えば、次のようなものがあります。
- 給与や待遇に不満がある
- 残業が多く、自分の時間が取れない
- 職場の人間関係に悩んでいる
- 今後のキャリアが見えない
- 仕事と家庭の両立が難しい
- 将来の収入や雇用に不安がある
悩みの内容によって、取るべき行動は変わります。
給与に不満があるなら、今の職場で昇給を目指す方法もあれば、転職によって待遇を見直す方法もあります。時間の確保が課題なら、業務の進め方を改善したり、勤務条件を見直したりすることが解決につながるかもしれません。
まずは「何となく不安」という状態から、自分が変えたいことを具体的にするのがおすすめです。
2.自分や家族にとって、何を優先したいのか?
次に、キャリアを考えるうえで大切にしたいものを整理します。
例えば、次のような項目です。
- 年収や経済的な安定
- 昇進や仕事での達成感
- 専門知識やスキルの習得
- 家族と過ごす時間
- 勤務地や転勤の有無
- 自分の時間や健康
- 将来の働き方の自由度
すべてを同時に最大化するのは難しい場合があります。だからこそ、今の自分にとって優先順位が高いものを考えることが大切です。
私の場合、2回目の転職では年収が下がることを受け入れました。収入を優先するなら、別の選択肢もあったかもしれません。しかし、家族との生活や働き方も含めて考えた結果、自分にとって納得できる選択をすることができました。
同じような選択をする必要はありません。重要なのは、周囲の価値観や会社の評価だけでなく、自分が大切にしたいものを基準に決めることです。
3.今すぐ変えることと、時間をかけて育てることを分ける
キャリアを考え始めると、転職や資格取得、副業など、さまざまなことに取り組みたくなるかもしれません。
しかし、仕事や育児などで忙しいなか、すべてを一度に進めるのは簡単ではありません。
そのため、今すぐ取り組むことと、時間をかけて育てることを分けて考えるのがおすすめです。
例えば、今の職場に問題があるなら、勤務条件の確認や転職先の情報収集から始める方法があります。一方で、将来的に副業で収入を得たいなら、すぐに大きな成果を求めず、少しずつ学習や情報発信を続ける方法もあります。
大きな決断を急ぐ必要はありません。まずは小さく行動し、自分に合う選択肢を増やしていくことも、キャリア形成のひとつです。
まとめ|会社だけに依存せず、自分の人生に合ったキャリアを選ぼう
30代の薬剤師が考えたいキャリアの選択肢として、次の5つを紹介しました。
- 今の職場で昇進・キャリアアップを目指す
- 転職して働く環境を変える
- 専門性やスキルを高める
- 家族や自分の時間を優先する
- 副業などで収入源を増やす
どの選択肢が正解なのかは、人によって異なります。昇進を目指すことも、転職することも、今の職場で働き続けることも、それぞれ意味のある選択です。
私自身、2回の転職を通じて、キャリアは会社での役職や年収だけで決まるものではないと感じるようになりました。年収が約200万円下がる選択もしましたが、自分や家族の生活を含めて働き方を考えるきっかけになりました。
そして今は、本業を大切にしながら、簿記の勉強やブログなどにも取り組み、将来の選択肢を少しずつ増やそうとしています。
大切なのは、会社のためだけにキャリアを考えるのではなく、自分や家族がどのような人生を送りたいのかを基準にすることです。
まずは、自分が今の働き方で変えたいことをひとつ書き出してみてください。そこから情報を集めたり、小さく行動したりすることで、次の一歩が見えてくるかもしれません。
転職を考えている方は、まず自分が転職したい理由を整理することから始めてみましょう。


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